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津峰神社
【つのみねじんじゃ】


阿南市津乃峰町東分にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は賀志波比売命。相殿に大山祇命を祀る。古くは賀志波比売神社・津峰権現と称した。標高280m余の津峰頂上に位置する。もとは麓にあったのを地元の人々が現社地に移したという(阿府志/県史料2)。神亀元年に神託により国家鎮護および延命長寿の神として祀られたと伝える。古来から多くの参拝者があった。「延喜式」神名帳那賀郡条に「賀志波比売神社」とみえる。以後細川頼之・三好長慶など歴代領主が崇敬したが,天正年間長宗我部氏の軍勢により社殿焼失,宝物類も失ったという。江戸期には徳島藩主蜂須賀氏が家運長久を祈願,毎年正月には富岡城主とともに参拝したと伝える。寛保神社帳には「答嶋村・津峰大明神・社僧見能方村千福寺」とある(続徴古雑抄1)。千福寺は那賀郡富岡荘の正福寺を本寺とする(寛政3年阿波国古義真言宗本末帳/江戸幕府寺院本末帳集成)。明治維新後津峰神社と改称,昭和11年郷社に列した。現社殿は昭和21年の南海地震で倒壊したのちに再建されたもの。人の寿命を司る神として信仰され,危篤の病人でも,親族・知人が早暁に禊ぎをし祈願すれば命が延び,また日に1人の命を助けると伝える。漁民にも海上安全・海の神として信仰される。例祭は11月17日。翌18日は大三宝に乗せた大鏡餅を持ち上げて男女が土俵を回る「力餅競争」が催される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196593