100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

天神社
【てんじんじゃ】


阿南市桑野町鳥居前にある神社。旧郷社。祭神は菅原道真。桑野天神社・菅廟・天神とも称し,桑野村の総氏神として崇敬された。国鉄桑野駅の東に位置する。この地域は旧土佐街道と那賀の奥から平野へ出る道路の交差点にあたり,古くから交通の要衝であった。延喜元年菅原道真が筑紫の太宰府へ下向する途中,当地に立ち寄ったことに因み,天徳年間に太宰府の天満宮を勧請したと伝える。道真が太宰府へ向かう途中海上が荒れたため桑野村東の入海(現橘港)へ停泊し磯辺の「トントン岩」へ上陸,その後付近の草庵(現桑野町梅谷寺)で一夜を明かしたという。文明15年武田常忠,延徳2年武田弥次郎,天文7年武田元信が再建(阿波志),天文18年には武田之信が再建した(寛保神社帳/続徴古雑抄1)。この武田氏は天文年間に桑野に来住し,桑野城を築城した武田氏と同族であろう。江戸期には徳島藩祖蜂須賀家政の崇敬も篤く,慶長年間に社殿を再建し以後も保護を加えた。別当は駅路寺の1つ梅谷寺が勤めた(同前)。明治3年天神社と改称し郷社に列格。例祭は10月25日。また式年大祭が25年目毎に行われ,氏子のほか近郷信仰者が集まり1週間以上続く。当社創建の記念に植えたという境内石段横の大杉は市天然記念物になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196640