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天神社
【てんじんじゃ】


徳島市北田宮4丁目にある神社。旧郷社。祭神は菅原道真。田宮天神社といわれる。古くは菅廟・天満自在天神と称した。吉野川下流南岸に位置し,付近を支流の助任川・田宮川が流れる。延喜元年の創建と伝える。古伝によると,道真が筑紫の太宰府へ向かう途中当地にしばらく滞留し,村人たちの種々の饗応に対して留めていった木像を祀ったことに始まる。江戸期には徳島藩主蜂須賀氏が崇敬し,代々の藩主が初宮詣の儀を行い,社殿造営にも寄進があった。また例祭には幣帛料の奉納と藩主の代参があったという。「阿波志」に「菅廟 田宮村松林中にあり,毎年連歌を献ず……祭田十二石又田二段一畝」とあり,また寛保神社帳に「田宮村 天満自在天神 社僧田宮村天神坊」とある(続徴古雑抄1)。明治3年天神社と改称,同5年郷社に列した。例祭は10月25日。社殿の造営等に対する寄進は明治36年まで続き,例祭への幣帛料の奉納と代参は戦前まであった。田宮の地名は道真の一夜の宿,すなわち「旅屋(たびや)」が訛ったともいう。社前の道路は馬場と呼ばれ,かつて盛大な競馬が催されていた。第2次大戦中境内には松茂の徳島海軍航空隊の弾薬庫が置かれ,魚雷なども格納されていた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7196641