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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


板野郡板野町下庄字栖養にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇を主神として猿田彦命ほか10柱を祀る。旧吉野川とその支流に囲まれた地に位置する。当地は古くから真弓原・栖養の里と呼ばれ,地主権現を祀っていた。承久の乱で土佐に流された土御門上皇が貞応2年阿波国に移った際に,当地に行在所を設け,地主権現を祀っていた現社地に京都の石清水八幡宮の分霊を勧請したことに始まると伝える。以後細川氏・三好氏など歴代領主の崇敬を受け,特に板西城主赤沢信濃守は社領を寄進するなど篤く崇敬した。しかし天正10年の長宗我部軍の進攻により社殿・宝物などすべて焼失した。その後寛文12年に徳島藩主蜂須賀氏の家臣伴藤太夫貞蔵が社殿を復旧,甲冑2領・槍2筋の奉納と田地の寄進を行ったという。明治6年郷社に列格。大正8年に道祖神社ほか6社を合祀したが,さらに昭和3年春日神社を合祀して今日に至っている。なお,松木殿と呼ばれた土御門上皇の行在所は当社の北方に位置し,その跡に石造りの祠があって地元では「松木さん」と称されていたが,大正8年に当社に合祀した。阿波における上皇行在所については御所・池谷・勝瑞・里浦などの伝説地が各地に散在している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197015