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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


那賀郡上那賀町海川字ヲフウチにある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・大鷦鷯命・天穂日命・澳津彦命・澳津姫命・金山彦命。古くは十二社権現と称した。山間部を走る国道193号沿いに位置する。創祀は未詳。もとは古森の地にあった(上那賀町誌)。正徳元年11月付の棟札があり,それには「奉造立十二社大権現社頭一宇 大本願海川村太郎左衛門……」と書かれているところから,この時に古森から現在地へ遷したかという(同前)。明治3年頃八幡神社と改称し,同4年郷社に列した。同44年には,上海川のニイダにあった八幡神社を合社し,現在に至っている。ニイダの八幡神社については元禄12年11月付の棟札に「奉上葺八幡宮社頭一宇 前阿刕大守従四位縄吉公大本願……」と書かれている(同前)。また「阿波志」に「八幡祠 木頭海河村に在り 又十二社在り」と記され,寛保神社帳には「木頭上山村〈海河村〉八幡宮 神主南宇村幸大夫同助村清大夫」と見える(続徴古雑抄1)。海河は昭和30年町村合併までは上木頭(かみぎとう)村役場の所在地であったが,平谷村・宮浜村と合併して上那賀町となって行政の中心を離れた。過疎化がすすむ中でも氏子数は減少せず維持され,4月3日の神武祭および11月28日の秋の大祭は神にぎわいも盛大に行われる。秋の大祭で神輿渡御終了後に行われる大投餅は有名で,参拝の群集は1石余の当屋餅を得ようとして競い合う。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197017