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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


徳島市八万町宮ノ谷にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇・仁徳天皇・大己貴命。地元では銅(かね)の鳥居さんと呼ばれ親しまれている。徳島市街地から南西へ約2.5km離れた川沿いに位置し,東を国道439号が通る。もと八万村は朝宮神社(上八万町広田)の氏子であった。その後上八万村に宅宮(現上八万町上中筋 宅宮神社)を祀るに及んで,下八万の馬場山に一社を建てて金毘羅大権現を祀ったのが起源だと伝える。慶長年間に橋本名に鎮座する八幡宮を遷座・合祀して八幡大菩薩と称し,現社地に遷座した。江戸期には徳島藩主蜂須賀氏が崇敬し,藩祖家政は神事料の寄進や社殿の建立を行った。有名な銅の鳥居は藩主至鎮のときの建立と伝えられ,その後50年おきに造替された。檜の周囲を銅板で巻いた堅牢な両部鳥居で通称はそれにちなむ。幕末には藩主がしばしば郷士たちをこの銅の鳥居に召集して軍事調練を行ったという。寛保神社帳には「下八万村 八幡宮 別当下八万村長久寺」とある(続徴古雑抄1)。別当長久寺は,寛政3年の阿波国古義真言宗本末帳に「無本寺 名東郡下八万村長久寺」とみえる(江戸幕府寺院本末帳集成)。明治3年八幡神社と改称し,同5年郷社に列した。例祭は11月3日。なお別殿に奉斎してきた金毘羅大権現は明治3年金刀比羅神社と改め,八幡神社と別に行ってきた祭礼も後には本社に合流して同日になり,社号も消滅して八幡神社となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197023