100辞書・辞典一括検索

JLogos

12

八幡神社
【はちまんじんじゃ】


三好郡東祖谷山(ひがしいややま)村栗枝渡にある神社。旧村社。祭神は誉田別命・安徳天皇。村の中心から祖谷川を2kmほど東へさかのぼった山間部に位置する。伝えによると,元暦2年屋島の戦に敗れた平家の一族は,安徳天皇とともに祖谷の地に逃れ,石立山(のちの剣山)にたてこもったが,長門国壇ノ浦の戦で一門が全滅したため天皇御佩の神剣を石立山の頂に納め,山を降りて栗枝渡の地に移住した。数年のち安徳天皇が崩御したので,天皇を祀ったのが当社であるという。今も境内に天皇の火葬地と伝えて諸人の出入りを禁じてきた所がある。のちに西宇重末名(現西祖谷山(にしいややま)村重末)に分祀されたため,東西両祖谷に八幡神社が存在する。また安徳天皇とともに当地に入った平国盛の後裔が阿佐名に住み,平家の赤旗など宝物を伝えている。「阿波志」によると応永25年に社殿の造替があった。この周りには,安徳天皇の仮住居であったという洞窟岩や矛立岩,装束石など平家伝説にまつわるものが多い。また栗枝渡の地名も,追手を逃れて栗の枝を橋にして渡ったところから名づけられたという。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197027