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日和佐八幡神社
【ひわさはちまんじんじゃ】


海部郡日和佐町日和佐浦にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・玉依姫命・息長足姫命。古くは八幡宮・日和佐八幡宮と称した。日和佐港沿岸に位置する。正平6年(観応2年)の創建と伝える。薬王寺所蔵「四河内大小神社神体控」に「惣社八幡大菩薩,日和佐浦村,観応二年,当院に遷宮仕り来りし古き棟札の控あり,玉殿三宇,神体九体,祭神仲哀天皇,応神天皇,神功皇后」とある。薬王寺は当社別当であろうか(海部郡誌)。また高知県の最御崎寺所有の三足付盤甲板裏銘文に「于時康暦元年〈歳次己未〉五月日 阿波国海部郡日和佐保八幡宮 願主神主玄勝」とみえ,これはもとは当社に寄進されたものだという(高知県史古代中世編)。その後永正17年に造替,その棟札には「奉造営日和佐八幡大神宮御社檀上棟 永正十七年庚辰十一月十五日 大願主 治嶋五郎兵衛尉永真 源重弘 源直弘 源泰家 弘次郎 神主藤原八郎 鍛治(冶カ)六郎左衛門 大工清原広為 小工同氏次郎衛門」とある(海部郡誌)。大願主治嶋永真は当時日和佐を領有していた豪族で,源重弘他3人は永真の一族とみられる(同前)。その後の様子は未詳。「阿波志」には「八幡祠 日和射浦にあり 観応二年置く」とある。明治維新後郷社に列格,昭和40年日和佐八幡神社と改称した。例祭は10月10日で大神輿の渡御がある。町内各地区から8台の勇み太鼓(ちょうさ)が練り,雄大な大浜海岸に出てはやしたてる光景は,豪快な県内有数のスケールの大きな祭である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197209