100辞書・辞典一括検索

JLogos

24

赤山古墳
【あかやまこふん】


古墳前期末から中期初頭の盛土前方後円墳。大川郡津田町鶴羽相地に所在。複数の石棺が埋納された古墳として知られる。津田湾の東部に迫る火山の北・東麓は,溜池・道路・宅地などの建設により,現在では地形の改変が著しいが,かつては山麓から派生した丘陵が何本も低地に延びていたと推察される。当古墳は南西から北東に走る1本の丘陵の先端,標高20mに位置する。台地先端側に後円部を,基部に前方部を設けたものとみられるが,現在,前方部は西側を走る県道津田白鳥引田線に切られ,墳丘北側は掘削されている。わずかに旧態を残す後円部南側もすそまで民家が迫る。かつては丘陵近くまで海が入り込んでいたものと考えられるが,現在でも墳頂はもとより,道路からでも津田湾を一望できる沿岸古墳である。全長推定50m,後円部直径推定30m。後円部にはかつて円筒埴輪が巡り,葺石が認められたという。現在,後円部頂は東西8m・南北7m,2基の刳抜式舟形石棺が北部・西部にL字形に露出している。西部の1号石棺は長さ2.6m・幅0.75m,北に石枕を設ける。北部の2号棺は長さ2.2m・幅0.68m,東に石枕を設けている。ともに火山の凝灰岩を用いる。両棺に囲まれた南東部にも凝灰岩製の石槨があり,石棺が納められていたという。大正14年に盗掘を受けその後の調査で,1号棺付近から,碧玉製管玉(1)・ガラス玉(1),2号棺から頭骨片・歯(7)・碧玉製管玉(11)・ガラス玉(93)が出土した。赤山古墳出土品と伝えるものとして,瀬戸内海歴史民俗資料館所蔵の石釧(5)・仿製四神二獣鏡(1)と,大阪市内の個人所蔵の仿製方格規矩鏡(1)がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197733