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岩田神社
【いわたじんじゃ】


高松市飯田町にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后。古くは飯田八幡と称した。社伝では,保元の乱後讃岐に流された崇徳上皇側近の唐渡助左衛門尉信宗が飯田郷に来住して創祀したという。勧請導師は長尾郷宝蔵院(現極楽寺,大川郡長尾町東)の朝算と伝える。旧飯田郷の総氏神として当地の飯田氏などの崇敬を受け,天文21年飯田主水が再建し,西坊(のちの蓮香寺)を別当としたという。以後天正19年・慶長16年・宝永7年・正保4年・寛文4年・享保15年・明和3年・天明2年・天保10年の再建修理が知られるが,これらは当地の領主築城氏・唐渡(人)氏などによるものだった(棟札)。寛永17年生駒高俊改易時の讃岐国中寺社領高書上写には「高弐石弐斗 飯田八幡」と見え(覚城院文書/新編香川叢書),その後も継続された(全讃史)。寛文8年9月には下飯田村の香東盛石之宝殿,山之神,若宮,鎮守など19の小祠を合祀している(飯田村岩田神社寄宮帳/香川叢書)。蓮香寺は真言宗で,岩田山観音院と号す。天文21年西坊として淡路三原郡神代寺の僧啓範を招請したのが始まり。宝永元年蓮香寺と改称(讃岐国名勝図会)。明治5年郷社に列格。境内に「飯田の藤」あるいは「孔雀藤」といわれる藤の神木があり,大樹で初夏に人々を楽しませている。例祭は4月26日・10月5日。なお蓮香寺は明治維新で廃寺となったが,現在も社前に小堂として残っている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197891