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宇閇神社
【うべじんじゃ】


綾歌郡綾歌町栗熊西にある神社。旧村社。祭神は鵜鷀草葺不合尊。古くは十二社明神とも称したという(讃岐国名勝図会)。社伝によれば,武殻王の子孫で酒を醸していた酒部益甲黒丸の創祀という。黒丸は当地で醸造し,城山(木山)の長者と称されていた。邸内に栗樹があり鵜が集まっていたが,鵜が足で掘った所から清水が湧き,それを玉の井と称した。郡名の鵜足(うた),郷名の栗熊,小名の宇ノ井はこの故事によると伝える。黒丸は玉の井の水で造った酒を雄略天皇に献じて酒部の姓を賜り,井の傍らに社を営む。これが創祀という。「讃岐国名勝図会」もほぼ同様のことを伝えるが,当初は星の宮と称したという。「延喜式」神名帳鵜足郡条に「宇閇神社」とあるが,綾歌町岡田下にも宇閇神社があり,当社に比定しうるかどうかは明確ではない。「生駒記」「全讃史」などは当社に比定している。以後は荒廃し,近世には栗熊西村の産土神となった(全讃史)。明治維新後宇閇神社と改称し,村社に列格。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7197941