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大蓑彦神社
【おおみのひこじんじゃ】


大川郡寒川(さんがわ)町石田東にある神社。延喜式内社。祭神は大蓑彦命。俗に蓑神大明神とも呼ばれた。創祀は未詳だが,当社は谷の出口近くに位置し,北側には真清水という名水(旱魃でも涸れることなく,旧寒川郡の郡名の由来となったともいう)があり,元来は水神を祀ったものとも考えられる。「特選神名牒」も大蓑彦命は大水彦神の意だとしている。「延喜式」神名帳寒川郡条に「大蓑彦神社」と見える。天正年間に土佐の軍勢の乱入で社殿が焼失したと伝えるが(御領分中宮由来/新編香川叢書),「三代物語」は石田左兵衛矩弘が守ったとしている。寛文7年に社殿が造営された(讃岐国名勝図会)。なお元来東の高山にあったが,往来の人の乗馬を咎めるので現在地に移転したといわれる(同前・全讃史)。しかしその年代は未詳。「讃岐国名勝図会」は祭神を素盞嗚尊としている。別当は宝蔵院極楽寺(現極楽寺,長尾町)末の小倉寺。小倉寺は天平2年の開創で,薬師如来を本尊としていたが(讃岐国名勝図会),明治維新で廃寺となった。しかし本尊は極楽寺に現存している(県文化財)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198062