100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

熊岡八幡神社
【くまおかはちまんじんじゃ】


三豊郡豊中町比地大にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・息長足姫命・玉依比売命。標高98mの,果樹園に利用されている宮山丘陵上に所在する。社伝によれば,承平元年山城国大宮左京大夫藤原益昌が朱雀天皇の勅を奉じて石清水八幡宮から勧請したという。天正年間に兵火で焼失したが,天正9年再建され(西讃府志),以後文禄年間・宝永10年・貞享4年にも再建されたと伝える。生駒氏から2反,丸亀藩主山崎氏から6反2畝,計8反2畝の社領を給され,また京極氏からも社殿営繕料として3町歩の山林の寄進を受けていたという。別当は真言宗の総官寺で七宝山と号し,承応2年の開創という(西讃府志)。「全讃史」は別当を惣願寺とするが,当地の惣願寺は他書に見えない。比地大のほか,笠岡・竹田(以上,現豊中町),下勝間・比地(以上,現高瀬町)各村の産土神として崇敬された。明治3年閑院宮邦家親王から社号扁額と御紋付雪洞が奉納された。その後郷社に列格。昭和56年宮山の南西裾傾斜面から須恵器窯跡が発見された。5世紀代の初期須恵器窯とみられ,わが国の須恵器生産の開始期を考える重要な遺跡である。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198418