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雲気神社
【くもげじんじゃ】


善通寺市弘田町鬼塚にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は豊宇気大神・大竜神・大雷神。「西讃府志」は祭神を天御中主尊とし,別に闇龗・高龗神との説もあり(全讃史),水神・雨神を祀った社と考えられる。「三代実録」によると,貞観元年正月7日従五位下の当社は官社に列し,翌2年5月20日にも同様の記事が見える。「延喜式」神名帳多度郡条に当社名が見える。「善通寺旧記」に「雲気の本地は大師の法弟弘田伝領郷の御氏神殊に国祚の神なる故に往古は寺領の領家職料の中を供料にあたえて持宝坊といえる一院もあり」とある。天喜4年12月5日付善通寺田畠地子支配状案の起請部分に「証成大行事」として「大麻大明神,雲気明神,塔立明神,蕪津明神」の名が見え,平安期以来善通寺と深い関係にあったらしい(東寺百合文書/新編香川叢書)。創祀は定かでないが,空海と善通寺の縁から,佐伯氏との関係も考えられる。中古に衰廃して小祠となったが(全讃史),宝暦4年丸亀藩主京極高矩が再興し,自筆の額と鳥居および田6畝12歩を寄進した。京極家の崇敬が篤く,6代藩主高朗は文化11年領内巡行時に参詣している(巡封陽秋)。別当は真言宗甲山寺であった。明治4年郷社に列する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198424