神前神社
【こうざきじんじゃ】

大川郡寒川(さんがわ)町神前にある神社。延喜式内社。祭神は猿田彦神。創祀は未詳。「讃岐国名勝図会」は天孫降臨神話と猿田彦神を関係させ，猿田彦神は天孫降臨の神々の前を供奉したので神御前の神社と称され，それが略されて神前となったとする。また「全讃史」は当社の南にある油良山と関係させ，寒川氏とのかかわりを説いている。「延喜式」神名帳寒川郡条に「神前神社」と見える。その後衰退したらしく，沿革は未詳だが，「讃岐国名勝図会」は別伝として祭神を応神天皇とし，古い石像の神体があったと記す。別当は南流山利剣院と号す宝善寺で，延喜７年宝蔵院（現極楽寺，長尾町）の明印法印の開創という（讃岐国名勝図会）。なお同書には「かんざき」と記されるが，現在では地名は「かんざき」，社名は「こうざき」と読む。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7198471