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国分八幡宮
【こくぶはちまんぐう】


綾歌郡国分寺町国分にある神社。旧郷社。祭神は誉田天皇。足仲彦尊・息長足姫尊・神日本磐余彦火々出見尊を配祀する。古くは岩川八幡宮などとも称し,現在でも俗に岩川さんと呼ばれる。讃岐国分寺から北東に約1kmほど離れた五色台の南麓尾根端に所在する。本殿の裏に,祭祀遺跡と思われる大きな岩塊があり,原始・古代からの聖地であったと考えられる。社伝では天平勝宝年間に国分寺鎮護および阿野郡7郷の産土神として,参議石川朝臣年足と侍従藤原魚名が創祀したという。また空海も当社と国分寺を修補したと伝える。おそらく旧来の信仰の上に,国分寺鎮護神としての性格が加わって成立したのであろう。ただし「讃岐国名勝図会」は社記を引いて,久安2年8月山城国石清水八幡宮から勧請して裏の岩塊に祀り,当地の産土神としたと伝える。中世には,讃岐藤家(綾氏)の支流で当地新居郷を本拠地としていた新居氏が守護神として崇敬したという。慶長2年生駒親正が社殿を再興,生駒一正も鳥居を奉納し,高松藩主松平氏も武具を寄進したと伝える。万治年間に焼失し,岩川山上に新殿を造営,以来岩川八幡宮とも称した。はじめ村社だったが,昭和10年郷社に昇格。南方の平地は旧馬場で,田宮小太郎の古跡という。寛永元年当社馬場大門で小太郎の父民谷源八が堀源太左衛門に討たれ,同17年その仇を17歳の小太郎が同地で討ったという話が「讃岐国名勝図会」などに見える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198516