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琴弾公園
【ことひきこうえん】


観音寺市の北側,財田川の北岸にある県立公園。国名勝。有明浜海岸と琴弾山(58m)一帯を指す。面積38.76ha。有明浜は白砂青松の典型で,遠浅でもあり,海水浴場としてにぎわう。背後の琴弾山はなだらかな花崗岩性丘陵であるが,山頂展望台からの眺望に優れ,燧(ひうち)灘を一望に,伊吹島・円上島・股島を見,右に荘内半島,左に東予地方を遠望できる。眼下には銭形の砂文字をはじめ海岸美が展開する。山頂には琴弾八幡宮があり,毎秋10月15日は華麗な大祭が海岸を色どる。同社は大宝3年創設の古い神社で,明治維新前は四国八十八か所の第68番札所で,神宮寺であった観音寺が第69番札所となっていた。明治の神仏分離令以来,観音寺が1寺2札所という珍しい存在となっている。東山腹にある観音寺は市名の由来となり,指定文化財を数多く所有し,山腹を利用してつくられた巍々園は名園の誉れが高い。観音寺と並んで山崎宗鑑の一夜庵で知られる興昌寺もあり,神社・仏閣の多い地区である。毎夏8月上旬市をあげて踊る銭形まつりの,銭形砂文字は縦120m,横90m,周囲345mの楕円形だが,山頂からみると真円にみえるようつくられている。この作成には高度な測量技術と膨大な人力を要したと思われるが,誰が何のためにつくったのかその起源は諸説あって定かでない。一般的には寛永10年丸亀城主生駒高俊の領内巡視の時,領民が一夜にして作成,領主を歓迎したという。他説では幕末の丸亀領主京極朗徹巡視の時といい,さらにもともとあった豊臣氏のシンボルマークである丸に瓢箪の模様を造り変えたという説など諸説がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198552