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桜八幡神社
【さくらはちまんじんじゃ】


木田郡庵治(あじ)町にある神社。旧郷社。祭神は誉田天皇・足仲彦天皇・息長足姫命・建内宿禰大臣。庵治郷の産土神で,桜の宮・桜尾八幡宮・庵治八幡宮とも称される。社伝では,昔は佐久良尾神と称し木花咲耶比売神を祀り鎮護の神としていたが,承和7年に八幡神を配祀したという。山城国高雄山の僧真済が行基作十一面観音像の安置場所を求めていた時,八幡神の霊夢により蓮華山満願寺を当地に建立し,八幡宮を勧請したというのである。「紫雲山極楽寺宝蔵院古暦記」には阿地八幡宮として,天暦元年・万寿元年・治暦4年・寛治7年・建仁2年・承元2年・文永元年・正安2年・永享5年の造営が記される(香川叢書)。嘉慶年間に別当満願寺教尊が願主となり,大般若波羅蜜多経600巻を奉納したという。天正年間の兵火で焼失したが,寛永年間に僧仙宥が再興した(全讃史)。明治維新で満願寺を廃し,郷社に列格。例祭は10月19~20日。豊臣秀吉が朝鮮出兵の帰路奉納したという躑躅で作った宮太鼓を社宝とする。なお大般若波羅蜜多経600巻は現在,満願寺の末寺だった願成寺(庵治町)に所蔵されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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