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白羽神社
【しらはじんじゃ】


木田郡牟礼(むれ)町牟礼にある神社。旧郷社。祭神は誉田別命・足仲彦命・息長足姫命。古くは白羽八幡宮と呼ばれた。社伝によれば往古は楠窪神社と称していたが,文明年間に田井城主中村加賀守氏宗の病気平癒に神験があったので,神夢で白羽の矢の落ちた現在地に移し,白羽八幡宮と改称したという(牟礼町史)。保元3年12月3日付官宣旨に石清水八幡宮寺領として「牟礼庄」が見え,当地付近は石清水八幡宮領牟礼荘となっていた(石清水文書1/大日古)。従って石清水八幡宮の分霊を祀ったとも考えられる。天正年間に長宗我部氏の讃岐侵入に際して氏宗の子孫中村恒卜が山下の地に移したが,天正11年兵火で焼失。明暦2年旧地である現在地に遷座した(牟礼町史)。元禄10年・享保18年・貞享5年・文化8年などに社殿造営が行われたという。別当は真言宗の最勝寺が務めたが,明治維新で廃寺となった。明治年間初期白羽神社と改称し,郷社に列格。開法寺(牟礼町大町)所蔵の板彫阿弥陀曼荼羅(国重文)は平安末期頃のものと考えられるが,応和3年の追銘があり,縦約13cm,横約12cmの檀木の表面の中央に阿弥陀如来像を,その周囲八方に諸菩薩を配している。本来は最勝寺にあったものだが,明治維新で本寺八栗寺(牟礼町牟礼)に移り,のち開法寺の所有となったという。また江戸末期か明治初期に背後の山から青銅製経筒が発見されている。例祭は10月10日。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198805