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新羅神社
【しんらじんじゃ】


善通寺市木徳町松浦にある神社。旧村社。祭神は素盞嗚尊。社伝では,白鳳2年に木徳の戸主和気善茂が創祀し,仁和3年僧円珍が当社を金林寺の鎮守としたという。円珍は和気氏の出身で,「全讃史」にも円珍と新羅大明神の関係が述べられている。また善通寺市金蔵寺町の金倉寺境内にも新羅神社(旧村社)がある。この社は大鷦鷯命を祀り,円珍が貞観3年金倉寺を創建後,新羅・山王の2社を創祀したと社伝でいう。しかも境外社の遠津神社も,貞観3年円珍の創祀で素盞嗚命を祀るという。「仲多度郡史」には,「社号の遠津は遠祖の略称にて,智証大師(円珍)の勧請とあれば,和気氏の遠祖武国凝別王を奉斎せしならむと云ふ」と見える。木徳町の当社に伝わる船神楽は,素盞嗚尊の朝鮮渡海を表現しているともされている。新羅という社号と合わせて,これらのことは,和気氏を通じて,朝鮮文化が讃岐に定着していく様相を示しているとも考えられ,古代史研究の鍵の1つである。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7198871