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多和神社
【たわじんじゃ】


大川郡長尾町前山にある神社。祭神は大己貴命。古くは多和大明神,大田尾明神などと呼ばれた。讃岐山脈の山中にある。創祀は定かでないが,社伝では天長元年に空海と藤原左太夫政富が多和郷に勧請したという。「三代実録」元慶元年3月4日条で「多和神」が従五位上に叙せられ,「延喜式」神名帳寒川郡条にも「多和神社」と見える。これを「讃岐国官社考証」は多和神社(志度町志度)に比定するが,「全讃史」「讃岐国名勝図会」などの近世の地誌はほとんど当社に比定している。「紫雲山極楽寺宝蔵院古暦記」は永承4年6月に「多和神祠」として仏舎利を賜ったことを,治暦4年・治承2年・乾元元年に舎殿造営のあったことを伝えている(香川叢書)。しかし近世には衰退し,「全讃史」は「今只だ礎石のみ存せり。而して内に小祠あり」と伝える。文政2年高松藩主松平頼恕が社地2畝を寄進したという。別当は宝蔵院(現極楽寺)末の神照寺が務めたが(御領分中宮由来/新編香川叢書),神仏分離で廃寺となった。現在宇佐神社(長尾町)の境外末社。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199072