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桃陵公園
【とうりょうこうえん】


仲多度郡多度津町桃山にある県立公園。昭和22年8月指定。面積約13万m(^2)。標高93.3m本台山(通称多度津山)に位置し,瀬戸内海,丸亀平野を一望することができる。全山桜樹で覆われ,陽春には花見客でにぎわい,県下有数の公園である。当公園は,昭和5年,当時の町長が御大典記念事業として開いたものである。それまでは桃畑として開墾されていて桃山と呼ばれていたものが桃陵となったといわれている。中世後期に,西讃岐の多度郡・三野(みの)郡・豊田郡を統治していた香川氏が居館を設けていた。その居館跡は公園内の東側にある子供遊園地の一画が物見台の跡であり,石垣の残塁が続き,階段や古井戸も残る。南側には少林寺拳法総本部・錬成道場が建設され,一年中全国から拳士が訪れて修学に励んでいる。また公園北側の港を見下ろす所にある展望台には,国定教科書に登載された,一太郎やーいの像がある。この像は,明治37年から同38年の日露戦争の時,出征する息子を見送るため豊田郡豊田村(現観音寺市)から多度津港まで駆けつけたが船はすでに岸壁を離れていた。そこで母親は大声で「一太郎やーい,判ったら鉄鉋をあげろ」と呼んだという(本名は岡田梶太郎)。この母性愛あふれたその声,その姿を再現して後世に残そうとして昭和6年6月21日に完成したものである(多度津町史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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