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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


坂出(さかいで)市府中町にある神社。旧村社。祭神は足仲彦天皇・息長足姫命・誉田天皇。新宮八幡宮,若草八幡神社とも呼ばれる。「全讃史」には三社八幡宮と見える。新宮とは一説に,城山神社(坂出市府中町)を本宮というのに対しての呼称だという。「讃岐国名勝図会」によると,平安末期に讃岐国守だった藤原家成が勧請したと伝える。当地新宮は讃岐国府に隣接した地で,妙楽寺・安楽寺・見徳寺など奈良期前後の創建にかかる寺跡があり,早くから開けて,国府との関係が緊密だったと考えられる。平安末期~鎌倉期を通じて石清水八幡宮領で,その鎮守として勧請されたとも考えられる。当社は谷状の地形が綾川に向かって開ける場所に位置している。保延3年4月日付検校光清・別当任清連署譲状によると,光清がその女美濃局に譲った所領のうち,光清創建の石清水八幡宮観音堂領として讃岐国鴨部・山本荘とともに新宮などが充てられている(石清水文書1/大日古)。美濃局に譲られた新宮などの所領はその子道恵法親王が知行し,さらに仁安3年4月25日付官宣旨によると,同法親王から定慧房に譲与され,知行されていたことがわかる(同前)。その後,元久2年12月日付別当道清処分状にも,石清水別当道清からその子修理別当宗清へ譲渡された相伝房領として,鴨部・山本荘などとともに新宮が挙げられている(同前)。また寛喜2年正月日付権別当宗清置文によると,新宮の1升1合が石清水若宮宝殿の長日御油料12月分の一部に充てられている(石清水文書2/大日古)。その後の沿革は未詳だが,明治維新で村社に列した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199445