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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


三豊郡詫間町大浜にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后。船越八幡宮ともいわれる。弥生時代中期の高地性集落や磐座がある標高352mの紫雲出山を頂点とする荘内半島は,この大浜の地でくびれており,古くはここから先の半島部は島だった。そのため船の航路となり,船越の名が生まれたのかもしれない。荘内半島では縄文・弥生・古墳各時代の遺跡や,古代寺院跡が発見されており,早くから開けた地であった。社伝では,神亀元年の創祀で,その時宇佐八幡神が船に乗ってきたので,船越の名称ができたという。康正元年11月丸部泰家奉納の懸仏に「讃州三乃郡三崎庄船越之八幡宮御宝前」とある(新修香川県史)。丸部泰家は「続日本後紀」嘉祥元年10月1日条に三野(みの)郡大領として丸部臣明麻呂が見え,その子孫と考えられる。明応7年火災で社殿は焼亡したが,永正年間頃から天霧城主香川氏の崇敬を受け再興。しかし天正年間再び兵火で焼失,衰退したと伝える(西讃府志)。近世には,元禄6年・安永5年・天明6年に社殿を造営したという。別当は円明院(仁尾町家の浦)で,明治維新の際前記の懸仏は円明院に移され,保存されている。荘内八浦の総産土神。陰暦2月2日のももて(百々手)祭は,生里の三崎神社,粟島の八幡神社のももて祭とともに,生里・大浜・粟島ももて祭として県無形民俗文化財。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199450