引田港
【ひけたこう】

大川郡引田町引田の北にある地方港湾。管理は県。城山の付け根の入り江を港として開き，中世の頃から遠く難波との交易や水軍の根拠地として発展してきた。昭和初年，沖に波止ができてからも，港内には数十隻の底引船（うたせ）が出漁に備えて帆を休めるなど商港・漁港の役割を兼ねていた。一時，大阪からの唯一の交通機関であった貨客船つるわ丸が就航していた。今では，港の機能が分離して，南は沖の防波堤に囲まれた漁港に，北は沖の波止と灯台を入口とした商港になった。商港には遠洋漁業の基地として，荷揚げ設備や冷蔵倉庫などの諸施設，道路も整備されてきた。また，港内には鉄工所や造船所があり，10ｔクレーン３基が動く。泊地面積５万3,350m(^2)，防波堤492m，護岸818m。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7199552