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布勢神社
【ふせじんじゃ】


大川郡寒川(さんがわ)町石田西にある神社。延喜式内社。祭神は大彦命。創祀は未詳だが,付近には弥生・古墳時代の遺跡も多く,地形を考えると,水神を祀ったとも考えられる。祭神の大彦命は孝元天皇の皇子で,崇神天皇の時各地へ派遣された四道将軍のひとり。「新撰姓氏録」左京皇別に,布勢朝臣は阿倍朝臣と同じく大彦命を氏祖とすることが記されるが,当社に布勢朝臣の伝承は伝わっていない。極楽寺(大川郡長尾町)の寺伝では,当社はその鎮守とされたという(全讃史)。「延喜式」神名帳寒川郡条に「布勢神社」と見える。その後は衰微して沿革も不詳となり,わずかに宝永5年に社殿が造営されたことが知られる(棟札)。別当は宝蔵院(現極楽寺)末の小倉寺。小倉寺は天平7年行基の開創と伝え,薬師如来を本尊としていた(讃岐国名勝図会)。明治維新で廃寺となったが,本尊は極楽寺に現存している(県文化財)。現在石田神社(寒川町)の境外末社。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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