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筆の山
【ふでのやま】


「どんどやま」ともいう。善通寺市にある山。標高296m。五岳山の1つで,東に香色山,西に我拝師山がある。旧吉原村(善通寺市吉原町)にあって,遠望する山容が筆の穂先に似ることにちなむという。また,「仲多度郡史」はかつてこの山に生えていた筆草にちなむが,その筆草を見たものはいないと伝える。別称の「どんどやま」は,江戸末期に丸亀藩が砲術隊を編成し,山の近くにある春日神社の馬場先に砲列を敷き,山のふもとに標的をすえて実弾射撃を行い実弾射撃のドーンドーンという音が絶えなかったことによる。春から夏にかけての緑,秋の紅葉の景観に優れる。また,ふもとには集落が広がり,畑地が開け,古くから文化が栄えたという。近世になって歌枕となった地。弘法大師ゆかりの旧跡を訪れた西行の歌に,「筆の山にかきのぼりてもみつるかな笞の下なる岩の景色を」(山家集)があるが,この歌は当山と我拝師山とを混同した歌となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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