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松が浦
【まつがうら】


歌枕。「万葉集」には「松が浦にさわゑうらだち真ひとごと思ほすなもろ我がもほのすも」とあり,「五代集歌枕」に「まつがの浦」と見えるが,「八雲御抄」以降に歌枕まつが浦として定着。「五代集歌枕」は前記の「万葉集」歌と,「後拾遺集」の「讃岐へまかりける人に遣しける」と詞書のある藤原定頼と源光成の贈答歌を例示する。また,「八雲御抄」は「まつがうら島」は陸奥の別の歌枕であることを注記する。ワスレガイ(鳥井貝)を産したという。白峰を含み,かなり広い範囲を指した「松山」の浦の意で,古くは海岸線が現在よりずっと内陸に入り込んでいたため,現在の坂出(さかいで)市大屋富町・青海町・高屋町・神谷町などの山沿い一帯に比定される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199767