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丸亀港
【まるがめこう】


丸亀市にある地方港湾。管理は県。土器川河口―上真島―下真島―金倉川河口を結ぶ範囲で,広さ353ha,岸壁は外堀・西堀・昭和町・蓬莱町など13か所にあり延長4.4kmに及ぶ。県が管理の主体をなし,一部に企業の管理もある。内海航路のフェリー発着場もあり,対岸の岡山との交流も密である。江戸期には大坂からの金毘羅船の発着場として隆盛を極めた。江戸中期からの参詣客の増加に対処するため丸亀藩が港を築いた。文化3年の福島湛甫や天保4年の新堀湛甫の竣工がそれである。福島湛甫は東西61間(約110m),南北50間(約90m),出入口33m,深さ3m,新堀湛甫は東西80間(145m),南北40間(73m),出入口27m,深さ約5mであった。新堀には江戸講中によって,灯籠も建立され,現在もその1つが太助灯籠(天保9年完成,寄付者1,357人)として残る。明治22年讃岐鉄道の開通(丸亀―多度津―琴平),さらに同30年鉄道が高松まで延長されて,高松港が本州・四国を結ぶ玄関口になると当港の地位は次第に低下。明治10年頃から同20年代中頃にかけて民間の篤志家による盛港社が組織されて,港の修築に貢献するが,本格的な改修は市制施行後の明治43年頃から始まる。西汐入川の付け替えや港内の浚渫,埋立地の造成が実行され,昭和初期には港の体裁も整い,昭和5年指定港湾となる。そして,昭和27年には県の管理港となるのである。昭和39年から同50年まで,4期にわたり臨海工業用土地造成と航路,泊地の浚渫や岸壁の整備がなされた。そして,西讃の主要港湾として,昭和50年関税法による開港,同年6月植物防疫法による特定港となり,昭和52年には出入国管理令による出入国港湾となる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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