100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

三豊干拓
【みとよかんたく】


観音寺市柞田町の山田から三豊郡大野原町花稲の地先にまたがる干拓地。昭和28年3月から同42年3月にかけての干拓事業により面積123.14haが干陸され,同年4月から同45年3月の農地整備事業により98.44haの農地と24.7haが道路などその他の地として造成された。本県における最初の大規模で本格的な海岸干拓である。行政区画は観音寺市と大野原町に分かれており,農地は約60haが観音寺市に,約39haが大野原町に属している。この地は柞田川の河口左岸に当たる遠浅の海岸で,明治30年代から干拓適地として注目されていた。食糧増産および小規模経営農家の次男・三男対策の目的により,昭和26年に農林省から調査地区の指定を受け,同28年3月着工となった。圃場区画は125m×40mで,1圃場0.5haの整然とした農地。中型農業機械の利用を前提としている。専業農家の育成を目指していたが,入植・増反の希望者が多く,9法人による協業経営として出発した。また漁業権の関係から漁業組合にも36haが配分され,合わせて10の組合となった。同52年に法人は解散し,現在は122戸の個人経営に移管されている。当初は米作中心の土地利用がみられたが,減反政策により,タマネギ・レタス・牧草などの栽培が増えている。また大型ビニールハウスを利用したキュウリ・トマトなどの園芸農業的土地利用が増えている。また,牛の飼育も行われている。農地整備事業により客土がなされ,その後も客土や堆肥の施用により地力増進が進められているが,普通水田よりやや低収で地力はまだ十分ではない。もう1つの問題点は7月末から2月頃にかけて卓越する西風による越波に伴う塩害がある。防風林として松が植えられたが枯死した。そのため,昭和58年から5年間の予定で消波施設工事が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7199856