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伊佐爾波神社
【いさにわじんじゃ】


松山市道後湯之町にある神社。祭神は誉田別尊(応神天皇)・気長帯姫命(神功皇后)。式内社。もと伊社爾波岡にあり,建武年間に湯築(ゆづき)築城に当たり,現在地に移されたという。河野氏は同城の守護神として当社を篤く崇敬した。加藤嘉明が城下町を松山に開いた時,社殿を修理し,また田地を寄進した(伊佐爾波神社文書)。松山藩主松平定長は,江戸城における射礼が無事終わるよう同社に祈願していたので,報恩のために寛文4年造営に着手,3年の歳月を費やして竣功したのが,現存の社殿である。社殿は八幡造で,和様に唐様が加味されており,本殿を神明造とし,その前方に向拝のついた拝殿を設け,この両者を相の間で連絡し,両者の軒先の接した部分に太い樋を通した。江戸初期の建物であるにもかかわらず,桃山期の雄渾でかつ豪華な様式をよく伝え,国の重要文化財に指定されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200249