100辞書・辞典一括検索

JLogos

10

石鎚神社成就社
【いしづちじんじゃじょうじゅしゃ】


周桑(しゆうそう)郡小松町大字石鎚字成就にある海抜1,450mの石鎚神社中宮社。西日本最高峰石鎚山は日本七霊山の1つで,奈良期に役小角が石鎚山を信仰の山として開いたという伝承がある。石鎚信仰は里宮本社(西条市西田)・中宮成就社・石鎚山奥宮頂上社の3社をもって形成する。もと常住山といい,「西条誌」によると蔵王権現を祀ったが,本社は石鎚山頂の弥山にあり,この地を神殿と号したという。またこの地には,前神寺登山のための宿坊があり,それを奥前神寺と呼んだが,文化年間の小松藩領千足山村との境相論ののち,文政8年奥前神寺の呼称は廃絶された。成就社本殿は明治21年焼失し,同27年神明造で再建,昭和50年流造で新築された。成就社と本殿左にある昭和12年建立の入母屋造見返り遙拝殿は,役小角が石鎚大神の霊験を得て,「遙かにお山を見返し,吾願い成就せり」と仰いだのに由来すると伝えられる。成就社は毎年7月1日~10日のお山開き大祭の中心社である。頂上社へは成就社神門から八丁坂・前社ケ森・夜明峠と登山参道を行くと到達する。石鎚山登山は以前小松町大字石鎚の河口(こうぐち)から登っていたが,昭和43年石鎚登山ロープウエー(西条市西之川下谷~成就間)開通により多くの登山者でにぎわっている。成就社周辺には遊歩道や石鎚山・瀬戸内海の燧(ひうち)灘が眺望できる成就展望台があり,旅館も数軒ある。昭和55年11月,社殿が全焼した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200264