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浮島神社
【うきしまじんじゃ】


温泉郡重信(しげのぶ)町大字牛淵にある神社。祭神は浮島上神・大三島神(大山祇命)。本殿は流造檜皮葺,間口4間×奥行3間。境内地2,984坪,社有山林3,397坪。12月20日の御面渡御祭で知られる。「三代実録」貞観9年の条に「授伊予国……正六位上浮島神従五位下」とあるが,この浮島神は当社の祭神といわれる。由緒書によれば,越智益躬が大山積神の分霊を氏神として勧請,寛平年間越智息利が神殿を改築したと伝えられる。境内神社に牛淵霊社があり,牛淵孝任・高房ら平安末期からの人物を祀る。高房は「吾妻鏡」元久2年の条に河野通信統率下の御家人としてその名が見える。保延5年道者・香積・西光・明照の4別当寺が置かれたといわれる。慶長年間加藤嘉明が社殿を再建,三島大明神と称えた。明治2年浮島神社の旧名復活。同3年郷社,同14年県社に列した(愛媛県神社誌)。12月20日に行われる特殊神事の御面渡御祭の起源は,寛文年間相原宗俊が南梅本村に野田三島宮を遷して社家を興した際,雨乞祭執行の際使用する御面三神を野田に持参したのが始まりであるといわれ,御面三神は両社の隔年鎮座となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7200428