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菊間港
【きくまこう】


越智(おち)郡菊間町中央,菊間川の河口左岸にある港。現在は漁船の溜り場でわずかの瓦船があるだけであるが,藩政期は松山藩の水主役を勤め,海運も盛んで,承応2年から浦手役が置かれていた。天和2年,大坂の俳人岡西惟中が菊間を出港して宮島へ参詣し,再び菊間に帰っている。製瓦業の発展によりその運搬にあたる瓦船が多く,天保12年在籍の船は22隻,安政2年の根方帳では30隻(うち瓦船20)であった。古くはわずかの入江を利用した砂浜で,永禄年間の「海上過程図」に浜村の名がある。天保4年,遍照院の僧瑞映らは現内港に港を移して同12年に一文字波止を着工し,初めて港が完備された。明治29年ころから三津宇品航路の船が寄港し,同39年には三津―尾道航路の船も毎日2,3便が寄港している。昭和4~7年に内外港を浚渫,同31年以降も順次改修工事が行われ,同53年度からは5か年計画で13万m(^2)を埋め,130mの防波堤の建設工事に着工している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201058