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義農神社
【ぎのうじんじゃ】


伊予郡松前(まさき)町大字筒井にある神社。祭神は義農作兵衛。作兵衛は元禄元年,松山藩領伊予郡筒井村に生まれ,刻苦精励の末,自作農となり,近郷で模範と称されるに至った。享保の大飢饉に遭遇し,特に筒井村付近の被害は甚大で,雑草まで食べ尽くすありさまであった。麦を播く季節となったので,彼は田圃に出て耕作に従事したが,たちまちその場に昏倒した。近隣の人たちは,彼が貯えている袋の麦を食べて,命を維持することを勧めた。彼は麦種を後世に残すことを念願して餓死した。時に享保17年9月のことで,年45歳であった。明治14年,伊予郡の有志により筒井村に小祠を建て,作兵衛の霊を祀り義農神社と称し,同40年八幡神社に合祀された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201152