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郡中港
【ぐんちゅうこう】


伊予市の郡中にある掘込式の港。藩政期の文化9年に岡文四郎が大洲藩の藩命によって重波戸・諸波戸等を起工し,当時の万安(ばんあん)港を構築し,旅客や物資の集散港とした。その後も,港湾の改修を図り,天保6年には現在の内港のかたちがほぼ完成した。この防波堤は延長145間5合(262m),護岸257間5合(463.5m),港内浚渫6,000坪(1万9,800m(^2))で,経費は金481貫444匁,米38石余,加勢人数は1,770人であった。明治44年,当時の郡中町長藤谷豊城は郡中港の改修を図り,年賦償還方式の町債2万4,000円の許可を受け,2か年の継続工事で埋立工事を完成し,現在の伊予港の発展の基礎をつくった。さらに昭和12年に県営工事で始まった外港の修築工事は同33年に完成し,郡中港は伊予港と改称された。現在,地元以外に,上浮穴(かみうけな)・喜多・温泉各郡の広域港湾として発展している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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