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高殿神社
【こうどのじんじゃ】


上浮穴(かみうけな)郡久万(くま)町西明神(にしみようじん)にある神社。祭神は高御産巣日神・本勝国勝長狭命・雷神・大山祇神・高龗神・明神右京要神。国道33号に沿い,背後には久万川が流れ,さらに大除(おおよけ)城跡の山がある。当社の南東約2.3kmに菅生山大宝寺があり,その縁起によると大宝元年に豊後国の猟師明神右京(左京とも)・隼人の兄弟が久万山中で十一面観音像を発見し,弓矢を折り菅簑をかけて草庵をつくったと伝え,のち兄の右京を神殿大明神(西明神),隼人を耳戸(みみど)大明神(菅生)として祀ったという(俚言集)。当社には町文化財の随身像と鰐口がある。随身2体は檜材,腰掛け姿で,高さ56cm・膝の幅50cm,14世紀ごろの作と推定されている。鰐口は青銅製で径25cm・厚さ8.5cm,表面外辺の右半分に「大日本国与州浮穴郡久万山東明神三嶋大明神鰐口也」,左半分に「于時応永廿三年九月廿三日 願主弥五郎正家敬白」と銘記されている。三島大明神は当社の北面1kmにあったが,明治34年に合祀された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7201350