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道後公園
【どうごこうえん】


松山市道後温泉の南側にある県立公園。明治21年湯月(築)城跡を県が公園に整備。公園内中央の丘(71.4m)は伊佐爾波(いさにわ)の岡と呼ばれ,聖徳太子撰文の温泉碑もこの地に建てられたといわれる。湯築城は建武年間河野通盛の築城と伝えるが,天正13年豊臣秀吉の部将小早川隆景に攻められ落城,その後荒城となり,さらに加藤嘉明が松山城築城にあたり湯築城の木石を転用したので廃城となっていた。公園の面積は約9万1,000m(^2),城跡の二重濠が昔の面影を残している。松山一の桜の名所でもあり,四季を通じて各種の草花が咲く花の公園となっており,市民の散策や行楽に利用されている。公園の北部に子規記念館を建設中である。公園の北西,内濠の名残といわれる池の堤に「寝ころんで蝶とまらせる外湯哉 小林一茶」の句碑が建つ。その後方山すそに古い湯釜があり,温泉の守護仏として信仰を集めている。湯釜は湯口のことで,天平勝宝年間に作られ,正応元年一遍上人が「南無阿弥陀仏」の妙号を彫ったという。円筒形の花崗岩,高さ157cm・径166cm,享禄4年河野通直が尾道の石工に命じ天徳応禅師撰文の温泉記を彫らせた。この湯口は現在の温泉本館ができるまで使われ,温泉史上貴重なもので,県指定の文化財,祭礼は8月1日である。公園の南部は県営の動物園となっており,面積は2万7,438m(^2)。哺乳類59種175点・鳥類91種511点・その他3種32点,計718点が飼育され,遊具施設として,飛行塔・子ども電車・プールなどがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202256