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奈良原神社
【ならばらじんじゃ】


越智(おち)郡玉川町字上木地の楢原山山頂(1,042m)にある神社。祭神は伊弉諾尊。社伝によると,持統4年に小千(越智)玉興が役小角を葛城山より迎えて創建したという。南北朝末期の長慶天皇潜幸の伝説により,同天皇の霊も合祀している。境内には樹齢1,000年以上と推定される県天然記念物の子持杉がある。昭和9年に境内の経塚から平安末期の銅宝塔・経筒・和鏡・檜扇・刀子等が出土し,すべて国重要文化財に指定されている。また付近に建徳2年12月在銘の石造多宝塔があり,県文化財となっている。元文ころの当社は蓮華寺の他に荒神社・竜王社・勝手明神・子守明神等の多くの堂宇を構え,堂々たる大社であった。それは近郷農民へ牛馬の守護神としての信仰が普及したためで,特に元禄期に出た光範の考案した繁栄(奈良原)講によるところが大きかった。宝暦3年に温泉郡重信(しげのぶ)町に勧請されたのをはじめ,県内各地に奈良原神社が祀られている。昭和30年ころには300社となっていたが,現在は牛馬の減少とともに急速に減少している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202506