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伯方港
【はかたこう】


越智(おち)郡伯方町の東方,大字木浦(きのうら)にある港。海運で知られる同町の中心港で,旧名木浦港が昭和15年7月東伯方港,同11月に伯方港と改称した。村上水軍の伝統を引く海運業は,慶長9年の今治築城の折に島民が採石や運搬,石垣積みに動員された石船に始まり,寛政から万延にかけての塩田築造による資材運搬や製品の輸送にあたる塩船によって発展した。特に古江塩田の築造の際に,今治藩主より選ばれた20隻の上荷船は,その後も長く伯方海運の中心となった。旧内港は寛政6年の築造で,内海交通の重要な避難港であった。機帆船としては明治末期の日光丸が県下最初で,大正から昭和初期にかけて発展,昭和7年から14年の間に16万円をかけて拡張工事,東防波堤300mの完成などで越智郡島嶼部第一の良港となった。昭和30年船舶隻数340隻・3万5,000t,同35年の入港船舶2万7,000隻・314万t,乗降人員9万2,000人,同50年では入港約4万隻・884万t,乗降人員27万人,出入貨物75万tであった。昭和36年一文字波止を50m延長し,同40年に東防波堤150mを完成した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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