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八幡神社
【はちまんじんじゃ】


大洲(おおず)市阿蔵(あぞう)にある神社。地元では「おはちまんさま」と呼ぶ。祭神は田心姫命・湍津姫命・市杵島姫命・誉田天皇。大洲城主加藤氏6万石の総鎮守。社伝によると天平年間から矢野の神山に鎮座していたのを,土御門天皇の代に梶原景時が現在地に移し,社地を献したという。元弘元年に守護として入部したという宇都宮豊房が尊崇したといわれる。戸田勝隆の時代には一時衰退したが,文禄4年に藤堂高虎が領主になってから再び祭典を復興し,神領を寄進して篤く崇敬した(宇都宮文書)。元和3年に加藤貞泰が大洲城主になってから廃藩になるまで,歴代の藩主の保護を受けた。社費の一切は藩費でまかなわれた。また雨乞いの祈祷・悪病除けの祈願をした記録が「加藤家年譜」に残っている。慶安元年には社殿が焼失し,現在の本殿・中殿・拝殿・随身門等は元禄11年に再建されたものである(加藤家年譜)。例祭は11月1日。神幸祭は11月3日である。藩政期には氏子村から氏子が出て神幸に供をした。社叢はシイ・アラカシ・イイガシ・シリブカガシ・イヌカシ等が多い。八幡山に存在する植生は木本126種,草本が102種もあり,県天然記念物となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7202685