姫坂神社
【ひめさかじんじゃ】

今治(いまばり)市山方町にある神社。式内社で名神大。社殿は御城山中腹にある。旧社地は泉川河畔の姫宮の地といわれる。祭神は市杵島姫命で，日吉郷の一の宮として奉斎されてきたが，興国年中兵火に遭い，永徳元年に河野通能により復旧されたと伝えられる。福島正則の検地により社領を失ったが，歴代今治藩主により毎年蔵米を献納された。現在地に遷宮した年代は不明であるが，棟札によると明和８年に神殿と釣殿，文化２年には拝殿を再建している。献納物では明和２年，江戸勤番の藩士が任務の無事完了と途中の航路等の安全を祈願して奉納した１対の巨大な常夜灯がある。明治14年郷社，大正７年県社に昇格，昭和20年の戦災で全焼，同43年に全社殿を再建，参道も整備された。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7202810