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松山港
【まつやまこう】


松山市の西方にある港。全国106か所の重要港湾の1つ。水域は1,700万m(^2),今出地区・吉田浜地区・三津浜地区・高浜地区・由良地区・和気地区の広域にわたる。中心は三津浜港で,最も古くから商港として発展し,内航小型船舶の集積地としての役割を果たしてきた。「万葉集」にうたわれた「熟田津」は当地区の古三津ではないかともいわれる。藩政期は瀬戸海路の三津宿駅として栄え,参勤交代の際はここから船出した。近年フェリー接岸施設が完成し,中国地方(岩国・柳井)を結ぶフェリー基地として新たに重要性を増し,現在水中翼船も就航している。松山港の設備として,大型繋船岸(公共)41バース,延長2,938m,専用繋船岸(民間)14バース,延長795mがある。昭和53年の年間取扱貨物量は移輸入1,002万t・移輸出711万2,000t,計1,713万2,000tで,入港船舶隻数5万8,029隻と多い,入港最大船舶はタンカー船で3万3,090tであった。輸入貨物は,アメリカ・マレーシア・インドネシアの原木,イラン・インドネシア・マレーシアの原油,シンガポール・インドネシア・ソ連の重油などである。松山港乗降人員では乗客数156万9,000人,降客数160万5,000人で,うちフェリー利用者は9万1,000人・9万4,000人である。過去の整備状況をみると,三津地区では大正5年町営工事として,築港工事に着手し,7年の歳月を要して,現在の内港防波堤が完成している。昭和15年三津浜町は松山市と合併し,港名を松山港と改称した。さらに三津地区では,内港拡張工事に着手し泊地を完成した。毎年8月には松山港まつりがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203174