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湯神社
【ゆじんじゃ】


松山市道後湯之町冠山にある神社。祭神は大己貴命・少彦名命。式内社。創建当時は鷺谷の大禅寺の前にあったという。式内社の出雲崗神社は奇稲田姫命すなわち素戔嗚命の妃で大己貴命の母を祭神とし,冠山にあった。湯神社が衰微した時,出雲崗神社の本殿に合祀された。ところが本殿が湯神社となり,出雲崗神社は江戸初期に境内の1小祠に移された。当社では,古くから初子祭が11月の子の日に盛大に行われた。その起源は,もと陰陽道で甲子祭がなされていたところ,大己貴命が鼠に救われたという「古事記」の古伝説から,いつしか鼠を十二支の子に結びつけたことに基づいたのであろう。陰暦の11月が子の月に当たるので,この月の初めの子の日を選んだと思われる。また道後温泉の源泉が地震で埋没してとまった時,神前で神楽が奏せられ,温泉の再湧出の祈願が繰り返され,さらに温泉の復興を感謝するために湯祈祷が盛大に挙行された。湯祈祷は道後温泉まつりに形をかえて,毎年3月19~21日に施行され,観光松山の春のさきがけとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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