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朝倉神社
【あさくらじんじゃ】


高知市朝倉にある神社。延喜式内社。旧県社。祭神は天津羽羽神・天豊財重日足姫天皇(斉明天皇)。地元では木の丸様と呼ばれる。鏡川の西方,赤鬼山の東南麓に位置する。南を国鉄土讃本線および国道33号が通る。創祀は未詳。「土佐国風土記」逸文に祭神は天津羽羽神と記す。この神は朝倉郷の開拓神といわれ,本来はこの神のみを祀っていたのであろう。「日本書紀」斉明天皇条に見える百済救援の出兵に際して,天皇が遷った朝倉の地を当地とする説があり,斉明天皇を合祀するようになったと思われる。「延喜式」神名帳土佐郡条に見える「朝倉神社」に比定される。「和名抄」土佐郡条に見える朝倉郷の中心地にあり,古来当地の総鎮守として信仰され,国内祈願を土佐神社(現高知市一宮(いつく))と交替で行ったという。天正16年の朝倉荘地検帳に「大宮」と記され,宮床39代のほか神領・神田が多く記載される。近世は社地1反11代3歩,社領2反を有した(南路志)。土佐藩主山内氏の崇敬も篤く,明暦3年に2代藩主山内忠義が社殿を再建し,寛政8年には10代藩主山内豊策が幣殿・拝殿を再建した。社殿は豪華絢爛な桃山様式を伝えており,国重文。別当は真言宗の朝倉山光泉寺良寿院(現廃寺,高知市)が勤めた。明治維新後県社に列格。例祭は11月10日で,太鼓と鉦と扇を持った老若男女が「なんもんで(南無阿弥陀仏)」と唱えながら巡る「なんもんで踊り」が奉納される年もある。奥の宮とされる社殿後方の赤鬼山は円錐形の美しい形をしており,神奈備山として大和国三輪山に対比され,県史跡になっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203778