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天石門別安国玉主天神社
【あまのいわとわけやすくにたまぬしてんじんしゃ】


吾川(あがわ)郡伊野町神谷にある神社。旧郷社。祭神は天石門別安国玉主天神。通称天神様と呼ばれる。創祀は未詳であるが,「延喜式」神名帳吾川郡条に見える「天石門別安国玉主天神社」に比定される。社記によると,もと神母林の巨巌の下にあり,神名も知られていなかったが,元禄5年巌穴より「天野岩戸分安国玉之天神社 天文九年庚子霜月八日 勝賀瀬越後造立」と記された棟札が発見され,藩庁に届け出,新たに社を造立したという(南路志)。旧地は仁淀川に近く低湿地帯で,洪水などにより衰退していたのであろうか。棟札に見える勝賀瀬氏は,仁淀川上流の勝賀瀬を本拠とする土豪と思われ,神谷方面にも勢力をのばしていたのであろう。祭神の天石門別安国玉主天神は,「式社考」によると,天石都倭居命で,中臣氏の祖である天児屋根命の外祖父神であるという。明治維新後村社に列格,郷社貴船神社を合祀して,大正8年郷社となった。例祭は11月18日。なお,「天石門別安国玉主天神」を称する社はもう1社あり(現高岡郡越知(おち)町黒瀬),「南路志」は前記の天文9年棟札は,もと同社にあったもので洪水で流失したとするが,詳細は未詳。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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