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伊尾木八幡宮
【いおきはちまんぐう】


安芸市伊尾木にある神社。旧郷社。祭神は応神天皇。明治初年まで六社八幡宮といった。参道が土佐街道の北側にあり,土佐湾を望む丘の上に鎮座する。伊尾木(井尾喜)は中世有井荘の中心であったといわれ,南北朝期有井荘を支配したという有井又三郎が城の鎮守として勧請したと伝える(佐伯文書/拾遺)。天正3年の棟札によれば,大願主として安芸城主香宗我部親泰が社殿を建立している(蠧簡集)。天正17年の井尾喜村地検帳に4反余の社領と宮床が見える。その中の1反30代は「八幡アンコテン」で「多聞院扣」と記され,多聞院との関係が推測される。多聞院は独自に30代の寺領を所有している。江戸期,井尾木川河口は上流の森林資源に恵まれたこともあって木材の集積地として栄えた。高知城下の豪商土種屋が寄進した石灯籠や大坂商人が献納した八幡宮の額があり,彼らの崇敬を集めていたことがうかがわれる。ほかに文化・文政頃の製作とされる木材運搬船500石積・19反帆の10分の1の模型1艘が寄進されている。10月15日の祭礼に山車の巡行が行われ,参道には絵馬灯籠がともされる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203884