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一木神社
【いちきじんじゃ】


室戸市室津にある神社。祭神は一木権兵衛政利。室津港北岸にある丸山山腹に位置する。延宝年間に室津湊の大改修を担当し,完成翌日に自刃した一木権兵衛を慕って人々が祀ったことに始まる。一木氏は長岡郡布師田(現高知市)の長宗我部氏の遺臣。権兵衛は野中兼山にその用水技術の才を認められて郷士に取り立てられ,普請奉行に抜擢され兼山の片腕として堰・用水路・港湾改修などに腕を振るった。兼山失脚後も藩に重用され,延宝5~7年にかけて室津湊の改修にあたった。難工事のためその経費は莫大なものであったが,工事最後の難関,港口の3岩礁除去にあたって成就後神明に命を捧げることを誓い,延宝7年6月17日完工を感謝して自刃した。遺骸は最初津照寺のふもとに埋葬され,のちに布師田の一木家墓地に移された。その後村人たちによって津照寺の傍らに一木神社が創建され,明治4年に公認された。現社殿は昭和5年に室津港完成250年記念行事の1つとして落成したもの。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7203989