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殖田神社
【うえたじんじゃ】


南国市植田にある神社。延喜式内社。旧郷社。祭神は阿遅鋤高日子根神。古くは植田神社(土佐州郡志),高賀茂大明神(南路志)とも称した。創祀年代は未詳であるが,当地は「和名抄」長岡郡条に見える殖田郷の中心地で,賀茂氏が居住していたと考えられる。したがって当社も賀茂氏によって奉斎されたものと思われる。「土佐国式社考」によれば,殖田神は味鋤高彦根尊のことで,土佐国一の宮(現土佐神社,高知市一宮(いつく))の祭神と同神ともいう。「三代実録」貞観8年5月22日条で,「殖田神」として従五位下から従五位上に昇叙した。同時に「殖田上神」が正六位上から従五位下に昇叙しているが,殖田神社との関係は未詳。殖田上神について,「土佐国式社考」は当社背後の山中の若宮社に比定している。創祀は未詳であるが,当社とともに賀茂氏の奉斎したものと考えられる。「延喜式」神名帳長岡郡条に「殖田神社」と見える。天正16年の植田本村地検帳に「賀茂大明神」とあり,「松木林アリ」と注記される。現在参道両側に茂る老松は当時からあったものと考えられる。また正月田・六月田・九月田・土器田などの神領が見え,すべて賀茂神領として充てられている。「南路志」によれば,近世は本田として43代を有し,9月9日に祭礼が行われた。明治維新後郷社に列格。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204160