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宇賀神社
【うがじんじゃ】


高知市長浜にある神社。祭神は宇迦魂命(宇賀神)。宗蔵天王宮・惣蔵社とも称した(土佐州郡志・土佐幽考)。長浜川(新川川)下流の左岸に位置する。創祀は未詳。惣蔵社のいわれは,当地に土佐の正税・公廨・雑稲を貯える惣蔵があって,それらの稲霊を祀ったため惣蔵社と称したという(土佐幽考)。「三代実録」元慶3年9月27日条で正六位上から従五位下に昇叙された「宇賀神」は当社のことと思われる。天正16年の長浜村地検帳に「ソウソウ宮修理田」40代余の記載がある。以前は北西の宇賀谷にあったが洪水で現社地に流された。宇賀谷に向けて社殿を造営したため西向きになったと伝えられる(皆山集)。宇賀神社を称する神社は当社のほかに浦戸海岸にもある。「土佐幽考」は,昔この地に,長浜から東諸木の戸原まで居宅を構えていた宇賀長者が住んでおり,宇賀神は長者の祖神という伝えを載せている。長浜の海浜にある糠塚と呼ばれる小丘は,長者が毎年捨てた糠が積もったものといわれ,もう1つの宇賀神社はその糠塚に鎮座している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7204169